初夏~夏にかけての食中毒予防
腸炎ビブリオ菌
(魚や貝などの海産物が原因食品)
●沿岸部の海中に分布しており、特に海水温があがる夏場に多くなります
●購入した魚介類に既に付着していることがあります
●増殖が非常に早いため、温度管理と食べるまでの時間短縮が重要です
●好塩菌で塩分を好みますが真水には弱い菌ですので、魚介類は調理前に 水道水による十分な洗浄が有効です
●魚介類を扱ったまな板や包丁に付着した菌が他の食材にうつって起きる事故が 多いため、魚介類を扱った手指、調理器具は十分に洗浄・消毒しましょう
●冷蔵保存を徹底しましょう。
主な症状:激しい腹痛、下痢、発熱(37℃~40℃)、嘔吐
潜伏時間(食べてから症状が出るまでの時間):4~28時間(通常10~18時間)

サルモネラ菌
(牛・豚・鶏などの食肉、たまごなどが主な原因食品)
●ヒト、動物等広く分布しています
●ペットも保菌していることがありますので、動物や鳥を世話した後は手の洗浄消毒が必要です
●食肉、卵などに付着していることがあります
●最近、生の卵を使用した食品を原因とした本菌による食中毒が報告されています
●熱に対して比較的弱いので、十分な加熱調理が有効です
●食肉、卵などを扱った手指、調理器具は、そのつど洗浄消毒しましょう
●冷蔵保存を徹底しましょう
主な症状:腹痛、下痢、発熱(38℃~40℃)
潜伏時間(食べてから症状が出るまでの時間):6~72時間(通常12~24時間)
病原大腸菌
(牛・豚・鶏などの食肉、その他食品、水など多種の原因食品)
●75度で1分間以上の加熱で死滅するので、良く加熱して食べる。
●手や指、調理器具を良く洗い殺菌し、生の牛肉の肉汁を流し台などにつけないようにしましょう
主な症状:感染しても必ずしも激しい症状が出るとは限りません。全く症状がない 場合もあり、軽い下痢や腹痛だけで終わる場合もあります。 典型的な場合は、激しい腹痛を伴う頻回の水様便で始まり、やがて真っ赤な血便となります。そして、その症状が出た数日~2週間後に上で述べた溶血性尿毒症 や脳症などの重症合併症が発症することがあります。むくみや血尿が出たり、痙攣や意識障害などの症状が出たら入院して集中治療が必要です。
潜伏期は4~8日といわれ、やや長いのが特徴(O157の場合)

カンピロバクター
(鶏肉など、低温に強い、ペットから感染することもある)
●食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)を行うほか、二次汚染防止のために食肉は他の食品と調理器具や容器を分けて処理や保存を行う
●食肉を取り扱った後は手を洗ってから他の食品を取り扱う
●食肉に触れた調理器具等は使用後洗浄・殺菌を行うことが重要です
●野鳥の糞尿で汚染することもあるので、井戸水や生水は飲まないこと
●肉類は必ず、加熱殺菌してから食べましょう
主な症状:発熱、腹痛、下痢、血便を伴う腸炎症状
潜伏期間
が比較的長く、一般に2-7日間かかるのも特徴です。
ブドウ球菌
(弁当、おにぎり、柏餅などの穀類及びその加工品シュークリーム、生クリームを使用した菓子など調理加工時に素手で扱うものに多い)
●菌自体は熱に弱く、通常の加熱処理で死滅しますが、毒素は熱や乾燥に強く 食品中で毒素が産生されてしまうと、その後、食品を加熱しても毒素は不活化 されず、食中毒の原因になります
●手指は常に清潔にし、十分手を洗う
●手指にキズ(化膿巣)のある人は調理に従事しない
●専用の手袋等を利用する
●飲食物の冷蔵保存(5℃以下)
●調理後早く食べる
●おにぎりやサンドウィッチを作るときはよく手を洗いましょう
主な症状:食べ物を食べた3〜5時間後に唾液の分泌が増加し、吐き気が起こり 続いて嘔吐が起こります。少し遅れて腹痛や下痢が起こります。  軽症の場合は、吐き気・嘔吐のみで下痢は起こさないで終わりますが、重症の 場合は十数回の嘔吐や水様性の下痢を繰り返し、脱水症状を起こして衰弱して しまうことがあります。時には37〜38℃の微熱を伴い、血圧の低下、胸内苦悶 (くもん)、意識の混濁、脈拍の減少などの中毒症状を起こし、緊急入院を必要と する場合があります。
潜伏時間(食べてから症状が出るまでの時間):約3時間

身近にある毒草
チョウセンアサガオ
チョウセンアサガオは、その根がゴボウに似ているため、たびたび食中毒を引き起こしています。チョウセンアサガオは、6月から9月にかけて開花するナス科の有毒植物です。別名ダチュラ、マンダラゲ、キチガイナスビとも言われます。草丈は約1mに達し、葉は波状歯縁で卵型、夏に10cmから15cmほどのロート状の白い花を咲かせます。果実は球形で短いとげが多数付いており、熟すと割れて種子を飛ばします。薬用として輸入されたものが帰化して野生化しています。
有毒成分
アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミンなどのアルカロイド類
有毒部位:全草(特に種子や根)強毒です
 中毒症状
口渇、瞳孔散大、心拍促進、興奮、麻痺(典型的な副交感神経抑制作用による症状)※この植物をさわった手で目をこすっただけでも、瞳孔が散大しまぶしくて物が見えなくなります。
誤食部位
 ごぼう チョウセンアサガオ
根をゴボウ、葉をモロヘイヤ、つぼみをオクラやシシトウ種子をゴマと間違えて食べて食中毒になることがあります。
食中毒予防のポイント
知らない植物は絶対食べない。
新芽や根だけで、種類を見分けることは難しい。
専門家の指導等により、正しい知識・鑑別法をマスターする。
山菜採りの時は、食べられる山菜と有毒植物が混ざらないよう注意する。
採った山菜をみだりに人に譲らない。
料理する前にもう一度確かめる。
自然毒のリスクプロファイル:高等植物:チョウセンアサガオ(厚生労働省)
エンゼルトランペット
ナス科の植物チョウセンアサガオの園芸品種で、普通に園芸店等で販売されておりよく見かけますが、植物全体が有毒です。枝を切った時にでる汁が目に入ると猛烈な刺激となり、すぐに正しい治療を受けないと失明する可能性もあると言われています。ただし、実際に失明した事例は無いとも聞いていますが、汁が手に付いた場合には、すぐに洗ってください。いろいろな品種があり、花の色や大きさも違いがありますから十分注意して下さい。
キダチチョウセンアサガオ属(ブルグマンシア)とチョウセンアサガオ属(ダチュラ)は別属として扱われる。両属の違いは以下の通り。
キダチチョウセンアサガオ属
高木または低木で、下向きの花をつける。
チョウセンアサガオ属
一年草または多年草で、上向きの花をつける。